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「蒲焼店が考える“これから”」72 〜2016年5月25日号掲載〜 [蒲焼店が考える“これから”]


鈴木徹雄代表取締役
(蒲焼 鳥かど家/東京都港区)

『割引チケットの活用、新商品開発で来客増やす』

5月も下旬に差し掛かり、夏の土用丑の日まで残すところ、2ヶ月余りとなった。貴店の売れ行きはどうだろうか。

「値上げは以前、200円ほどですが一回だけ実施させていただきました。このため、常連さんがいらっしゃる回数も必然、少なくなり2年前ぐらいには売り上げもどん底でした。ただ、昨年の夏から、客離れもようやく解消してきた感じです。売り上げに関しても、昨年同時期に比べて15〜20%くらい、増加傾向になっています」

近年は、メニュー価格の値上げを余儀なくされるなど、客離れも少なからずあったとみられるが、離れたお客を一人でも多く取り戻すために実施していること、またインバウンド(訪日外国人旅行者)消費への対策しているのだろうか。

「近年はシラスウナギが不漁でウナギの仕入れ価格も高騰するいっぽうでした。当然、お客様の足も遠のいていきました。“このままじゃ、いけない”ということで一人でも多くのお客様に来ていただけるよう、リクルートの『ポンパレ』、いわゆる割引チケットを活用し、ウナギのぶつ切りを生姜醤油で圧力鍋にかけた新商品『鰻の汽車ポッポ』などでよりお客様を引き付けるようにしています。また、グルメサイトのひとつ『ヒトサラ』の弊店の紹介ページでは英語、中国語、台湾語、韓国語にも対応しています」

ところで、貴店が考える“良い”うなぎとはいったいどのようなものを言うのだろうか?

「蒸して、焼き始めても、ある程度、身のしまっている鰻は安心して調理出来ます。うちでは代々、国産オンリーです。一時、中国産、台湾産を扱った時もありますが、中国は脂分の多さが気になりました。一方、台湾産はあまり違和感なく、扱えました。近いうちにランチサービス向けに値ごろ感ある台湾産活鰻を扱おうか、考えています」

今年9月に行われるワシントン条約締約国会議。これまで注目されたニホンウナギの付属書掲載は回避され、業界関係者もまずはほっと胸をなで下ろしているところではないだろうか。そのなかでウナギ資源保護に対して、貴店はどのような意見を持っているか。

「これまでウナギ資源に対して野放しだったといっても過言ではないと思います。やはり、現在実施されている一定の規制は必要かと思います。ただ、規制をより厳しくすることで供給が不安定になり、荷物が入ってこなくなることは防いでほしいですね。ちなみに募金活動に関しては、弊店が仕入れている焼酎メーカーが一本の売り上げの一部を義援金に充てているように、ウナギ業界でもうな重などに研究費向けとしていくらかを上乗せして徴収するのもいいかもしれませんね」 

一方で、深刻なウナギ職人不足問題。貴店はどのような考えを持っているのか。

「当店は家族経営のお店で、職人さんを雇用していないのでなんとも言いようがありません。ただ全般的にうなぎやの職人というのは、フレンチ、イタリアンのシェフ、あるいはスイーツのパティシエに比べ地味な部分が目立つなど、イメージ的な問題があるのかなと思います。今年12月にニューヨークから息子が戻ってきたら、ある程度、調理を任せてみようかなと考えています」

ニホンウナギの資源問題、活鰻仕入れ価格、そして職人不足問題。ウナギ業界が昨今、抱える問題は多い。厳しい状況下、今後をどう乗り切っていきたいか。

「昔、この新橋界隈、虎ノ門にはざっと20軒以上のうなぎやがありました。今でこそ、本当に数える程度しか残っていないのが寂しいところです。自身で三代目、弊店も今年で創業104年を迎えるなか、今後も実直に仕事をこなしていき、お店とうなぎ文化の歴史の灯を絶やさぬように尽力していきたいですね」

[データ]
「蒲焼 鳥かど家」
〒105-0004 東京都港区新橋4-27-9 新橋スズキビル1階
TEL:03-3431-0534

代表取締役 鈴木徹雄氏ブログ用.JPG

















*「蒲焼店が考える“これから”」は現在、日本養殖新聞で連載中
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