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「蒲焼店が考える“これから”」79 〜2016年8月10日号掲載〜 [蒲焼店が考える“これから”]


鈴木紀之氏
(魚政/東京都江戸川区)

『お客様の声をよく聞くことで店の改善につなげる』

ウナギ業界のお祭りとなる土用丑の日は全国的にうだるような暑さとなった。

「おかげさまで丑の日は盛り上がりました。当日の売り上げも年々、右肩上がりです。近年は丑の日の営業と外売りも行うようにし、さらに今年は丑を含めた3日間、予約受け付けせず商戦に臨み事がスムーズに運びました。若干の値上げ、単品料理も取り揃え、そして曜日も味方し、様々な要素がすべてうまくはまりました」

依然、高値安定の活鰻相場だが、売り上げを少しでも伸ばしていくための働きかけは?

「お客様に来ていただくことを前提に考えると、私どももウナギをメインにしつつも、ウナギ嫌いのお客様もいらっしゃいますから、お刺身御膳、天ぷら御膳などを用意し、ウナギ嫌いのお客様を逃さないようにしています。またうな重は、別売りが多くなっている肝吸い、お新香もセットにさせていただいています。そのほか、店前はお客様が入りやすいよう、掃除など手入れを怠らないようにするなど、お客様の立場で考え細かな気遣いなど怠らないようにしています。すべてのことはお客様が “答え”を持っていると考えており、常にお客様の声を大切に聞いています」

ところで扱うウナギ原料についての考え、また養鰻業者に対する要望はあるだろうか。

「個人的に、お客さんは“柔らかい”ウナギが好みだと思っていましたが、お客さんの反応などを見ると、ヒネなど身、味がしっかりしたものが評価は高かったですね。ですから、柔らかすぎない程度で味のあるウナギがいいですね。あと、正月明けなど年に何回か、品質のバラツキが目立つ時期があるので改善してほしいです。また一意見として私どもでは最高の品質を求め、季節ごとに産地を変えているように、“食べて美味しく、安全”であれば良いのと思います。お客様にもあまり、産地ばかりに流されずに本質を見ていただきたいですね」

一方、ウナギの資源問題についてはどうだろうか。

「気になるのが市場で見かける、天然のめそ。網を大きくするなど小さいものは極力取らないようにしてほしいと思います。国の規制の強化とともに、メディアが大々的に取り上げ監視の目を強めることなどが必要ではないでしょうか。また今後のワシントン条約のことも考えれば、天然ウナギが扱えなくなっても致し方ないと思います」

また、ウナギ職人不足問題についてはどうだろうか。

「若い子を育てるには魅力ある業界を作ること、そして給料面などお店の受け入れ体制をしっかり整えていくこと。昔、父に言われたことは“しっかりウナギをさばくことが出来れば将来、食いっぱぐれないぞ”と。蒲焼学校などで若い人が増えてほしいですね」

様変わりするウナギ業界、生き残るために何が必要か。

「原点に戻って当然のことを当然に行っていくことがより大事になるのではないでしょうか。人はひとりでは何も出来ないですし、人との関わりをしっかりと深め、かつ柔軟性を持っていくことが今後、重要になってくると思います」

[データ]
「魚政」
〒132-0035 東京都江戸川区平井3-26-11
電話:03-3636-1787

四代目 鈴木紀之氏 ブログ用.JPG

















*「蒲焼店が考える“これから”」は現在、日本養殖新聞で連載中

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