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「蒲焼店が考える“これから”」83 〜2016年10月5日号掲載〜 [蒲焼店が考える“これから”]


洪 習検営業本部長
(赤坂ふきぬき/東京都中央区)

『ムダ、ムリ、ムラのない営業が食材を大事に取り扱う原点』

10月に突入し、徐々に秋らしくなって来た。オフシーズンの中、最近は天候の不安定さも相まって、ウナギ業界からはいささか元気が伝わってこない。近年は、シラスウナギ不漁を背景に活鰻相場も高値で推移して来た中で、気になる利益率はどのような感じで推移して来ているだろうか。

「毎年、利益率は低下傾向にあります。メニューアイテムの変更、あるいは売価調整などをしながら営業していますが、(近年の仕入れ高による)売価への転嫁は限界があるのが現状です」

前述されたように、近年の仕入れ高を背景に厳しい販売状況を強いられる中、貴店での販売促進、またどのようなインバウンド対策などを行なっているのだろうか?

「SNSにおいて英語、中国語、韓国語、タイ語のメニュー提示をさせていただいています。なお、販売促進活動は、基本的には、国内においてのみです」

ところで貴店では現在、どのようなサイズの活鰻原料を使用し、また扱う産地へのこだわりとともにその理由にはどのようなものがあるのだろうか?

「扱いサイズに関しては、4尾、5尾中心に商品を展開しております。以前は時期によって、台湾産を併用し、使用していましたが、ここ数年は国産のみの使用となっております。一昔前に起きた産地偽装の問題もあり、消費者の国産に対する根強いニーズと、外国人旅行者の国産への関心の高まりもあります。また原価においても外国産(台湾産、中国産)を使用するメリットが以前より、少ないのも現状です」

何とかニホンウナギの掲載は回避された今回の“ワシントン条約締約国会議”だが、近年取りざたされるウナギ資源問題についてはどんな意見を持っているだろうか。専門店間では、“天然ウナギ不使用”、または完全養殖の商業化に向けた研究機関への募金活動の動きも出ているが。

「天然ウナギはここ数年、使用していないのが現状です。私どもではムダ、ムリ、ムラのない営業をする事が一番であり、それが食材を大事に取り扱う原点と心がけております」

ウナギ資源問題が昨今、大きくクローズアップされているが、一方では同様に深刻さを増している、気になる職人不足問題についてはどのような考えを持っているだろうか?また貴店の対策として、どのような働きかけを行なっているだろうか。

「専門学校からの新卒を採用出来るように動いています。通年一名程度ではありますが、採用出来ている状況です。鰻料理人としての将来性、やりがいを最初の研修で意識付けをしています。自信、自慢出来る仕事である事、料理人として考え方、食(鰻)を通じて、お客様を幸せに出来る事のすばらしさを伝えています」

前述したように近年はウナギ資源問題、職人問題、マーケットの縮小など、ウナギ業界は一昔前に比べると大きく様変わりしています。そうしたなかで、うなぎ専門店としては今後、どうあるべきなのか、あるいは何をしていくべきだろうか?

「伝統を引き継いでいく使命があると考えます。鰻を通して、食の世界の素晴らしさを伝える事、また鰻文化継承のために、人材育成をしていく事!問題は山積していますが、あきらめないで前向きに進んでいく事が大切だと感じ、日々、精進しております」

[データ]
「赤坂ふきぬき」
〒103-0022 東京都中央区日本橋室町3-4-7
ヒューリック日本橋室町ビル6階
TEL:03-3245-8120

*「蒲焼店が考える“これから”」は現在、日本養殖新聞で連載中

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