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「蒲焼店が考える“これから”」104 〜2017年6月25日号掲載〜 [蒲焼店が考える“これから”]


津田兼太郎取締役
(東京 竹葉亭/大阪市北区)

『河川でウナギが住みやすくなる、石倉設置が進むことを希望』

今年も早いもので半年が過ぎようとしている。また、業界の年に一度のお祭りとも言える夏の土用丑の日まで残り、1ヶ月となった。愛知三河一色では5月半ばに新仔の初揚げが始まっており、同じ単年養殖組の宮崎エリアもようやく新仔が初揚げされ、遅ればせながら丑に向けてのムードは高まってきている。一方では梅雨ながら、時折、夏日となる地域も散見されるなど、陽気的にも丑商戦に向けて期待したいところだ。
ところで昨今は活鰻仕入れ値が一昔前に比べ高値安定で推移してきたが、一頃のピークを過ぎ、現時点の相場も昨年同時期よりも700円/㎏ほど値頃となっている。そうしたなかで、貴店の販売状況はどうだろうか。

「今のところ、リピーターのお客様や外国人観光客を取り込めるように努力をしている為、売上は確保しています。昨年同期と同じくらいの売上を確保することで利益率も何とか保てています」

一方、近年のシラス不漁を背景に一般消費者間では“ウナギ=高い”というイメージが刷り込まれ、取り巻く環境は厳しいなかで、販売促進など貴店ではどのような対策をしているだろうか?

「味やサービスが日々向上するように従業員への教育などに取り組んでおります。また、訪日外国人旅行者を取り込む為に英語のメニューやホームページ作成などの対策は実施しています」

ちなみに商売をしていく上で重要な活鰻原料。貴店で扱うウナギに対するこだわり、あるいは考えなどはあるのだろうか。

「弊店では愛知県や宮崎県などの国産鰻を扱っています。身の厚い、ふっくらした鰻が良い鰻だと思います。逆に長身で身の薄い鰻は好ましくないです」

ところで昨年9月に行われたワシントン条約締約国会議では、ニホンウナギの附属書掲載を免れたものの、EU(ヨーロッパ連合)ではウナギの資源・流通の実態調査を提案、可決されている。このため、引き続いて予断を許さない状況にあるなかで、昨今のウナギ資源問題に対する考えはどうだろうか?

「ウナギ資源保護の観点から、天然ウナギは弊店でも使用しておりません。完全養殖の商業化実現はもちろんのこと、河川でウナギが住みやすくなる様、石倉設置なども進むことを希望しています」

また、ウナギ資源問題と同様に、解決策が依然として見えない、深刻な状態にあるウナギ職人不足問題に対してはどのような考えがあるだろうか。

「ウナギ職人が不足している要因は若者の人口減少が主な原因だと思います。育成、確保については地道に採用活動をしていく他、無いと思います」

近年は、ウナギ資源問題をはじめ、相場の高値安定、またウナギ職人不足の問題など、ウナギ専門店業界を取り巻くものは難題ばかりが目立っている。そうした中で、鰻専門店としては今後、環境が大きく変化した業界をどう乗り越えていくべきだろうか。

「専門店を取り巻く環境は大きく変化しておりますが、『味とサービスの向上』という原点を忘れず、地道に取り組んでいくことが必要だと思います」

[データ]
「東京 竹葉亭」
〒530-0005 大阪市北区中之島4-3-20-612
電話:06-6443-3111

津田兼太郎ブログ用.JPG

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